チャット会議のススメ
以前別の記事でも書きましたが会議はかなり入念に準備をして、効率的に進めないとあまり生産的なものになりません。一発勝負のライブ的なものだからです。
ITツールの発達した現代であれば、人の時間を使って一発勝負にかけなくても議論を進めることができます。
今回はその方法を紹介します。
通常の会議のデメリット
まず通常の会議のデメリットをまとめておきます。けっこう致命的なデメリットがいくつかあります。
予定が合わないと開催できない
これが最大のデメリットかもしれません。
関係者が忙しければ忙しいほど時間を合わせて会議を開催することが難しくなります。 スピードが重要なビジネスにとって、会議での決定が先延ばしになるのは致命的です。
議事録が正確に残らないことがある
そもそも小さな会議だと誰も議事録を残していないこともありますし、残していたとしても録音していない限り、正確な議事録を作ることは難しいです。
結果、情報共有や議論の発展など議事録を使った次のアクションがうまく取れないことがあります。
他人の時間を奪う
とりあえず関係者を集めることで興味の無い人や発言をしないけど会議室で座ってないといけない人を生み出してしまいます。
その人にはとっては会議の時間が無駄になります。
他人の集中力も奪う
会議が奪うのは会議中の時間だけではありません。
当然ですが、会議に参加する場合は今やっている仕事を中断して会議室に移動しないといけません。
一旦、中断した仕事を再開してもすぐに集中することは難しいです。
何をやってたか思い出すのに多少の時間がかかる場合もありますし、すぐに思い出せたとしてもエンジンがかかるのにどうしても少し時間がかかります。
会議が仕事の間に挟まることによって生産性を下げてしまうのです。
チャット会議のすすめ
上記のデメリットを解消するためにおすすめなのがチャット会議です。
チャット会議とはチャットツールを使って議論を進める会議のことです。
チャットツールの紹介
チャットツールには下記のようなものがあります。それぞれの特徴も簡単にまとめました。
Chatwork
- 日本製ツール
- タスク管理ができる
Slack
- 海外製ツール
- エンジニアにとって便利な機能が多い
- 外部ツールとの連携機能が豊富
Hangoutチャット
- Google製ツール
- Gsuiteを導入している企業であればすぐに使える
- 機能は絞られており、最低限のものが簡単に使えるようになっている
チャット会議のやりかた
上記のツールであればどれでもグループチャット機能が使えます。
グループチャットとは複数人でチャットをする機能です。
幹事がグループチャットに関係者を招待する選択し、招待された人のみで会話をすることができます。
チャットの内容を招待された人のみに見せることもできますし、その他の人に公開することも可能です。
幹事がチャットルームを作成したことを関係者に伝え、チャット内で議論に必要な資料と議論するテーマを投稿すればチャット会議を始めることができます。
チャット会議のいいところ
集まる必要がない
チャット上で会議をするので、会議室を取って人を集めるという作業は必要ありません。
オフィスの狭い会社だと会議室が空いていないことも多いので、その作業がなくなるだけでも楽になります。
時間を合わせる必要がない
集まる必要がないということは時間を合わせる必要がありません。
議論の流れを見ながら、自分の時間が確保できた時に自分の意見を発言するという参加の仕方が可能になります。
議事録が自動的に残る
チャットであれば誰が何を発言したかが全て完全に記録されているので、記録のための議事録を作る必要がありません。
また、当然ながら記録はリアルタイムに残るので、その記録を見ながら議論を進めることで、論点がずれることなどを避けられ、会議の効率を上げることができます。
議論に途中参加することができる
会議中に○○さんの意見を聞く必要があるという状況になることがありますが、通常の会議だとよほどのことが無い限りは途中で人を連れてくるということはしません。
急遽呼び出すということになったとしても、その人のスケジュールが空いているかどうかはわかりません。
チャット会議であれば、追加でチャットに招待して、時間がある時に○○について意見がほしいと言っておけば大丈夫です。
###資料を随時共有することができる 会議前に色々と想定して準備はしますが、議論の流れによっては新たに見たいデータや資料が出てくることがあります。
会議中だとすぐに用意できない場合もあり、のちほど共有しますということになり、そこで議論がストップということもありえます。
チャットだとデータを持っている人がチャットにアップロードすれば参加者全員に情報を共有することができます。
通常の会議よりも発言のハードルが低くなる(人による)
通常の会議ですと声が大きい人(いろんな意味で)、しゃべりがうまい人が会議の中心になりがちです。
本来であれば、しゃべりがうまい人よりも知識のある人、アイデアのある人が中心になるべきです。
チャットであれば流れに乗ってうまく口を挟むといったテクニックは必要ないので、そういった人たちの意見を吸い上げやすくなります。
チャット会議のデメリット
チャット会議もいいところばかりではなくデメリットもあります。下記の4点です。
- チャットツールの使い方がわからないと会議に参加できない
- 通常の会議のように1時間で全てを決めきるということができない
- そもそも社内でチャットツールが導入されていない
- チャット会議を普及させるのが難しい
1つ目については、チャットツールはかなりUIがわかりやすく作られているので操作を3つくらい覚えれば基本的なことはできるようになります。
2つ目に関してはそもそも通常の会議でも結論が出ないことが多いのでどっちもどっちと言っていいでしょう。
3つ目の対策は導入してもらうよう掛け合うしかありません。
フリーツールの導入が許されるのであれば、slackなどは無料で使えるので(制限有)、小さいチームで試験導入してみてもいいかもしれません。
4つ目は努力が必要です。有用性があっても普及しなくては意味がないので、誰から先頭に立って声をかけてみましょう。
普及のコツのようなものを次項で紹介します。
チャット会議の普及の仕方
エンジニア集団が作ったベンチャーとかでも無い限りチャット会議には違和感があるはずです。
普及しなかったらどうしよう…。だれも発言してくれなかったらどうしよう…。という不安はあるがまずは恥を偲んでやってみましょう。
誰かが始めなければ、試験運用することすらできません。
最初に**「○○についてですが、部会で協議しているとかなり時間をとってしまうので、試験的にこちらのチャットで相談させてください。」**みたいな感じで関係者の時間を奪うことを気にしているということを伝えておきます。
また、**「議論は流れていきますが、時間差は気にせずにお手すきの時に意見、アイデアをいただければと思います。」**というように時間差歓迎、遅刻歓迎、論点が戻るのも歓迎ということもはっきり告知します。
遅れてチャットを見た人が議論が進んでいるのを気にして、発言できなくなるのを避けるためです。
過去の記録が残っているのでそれを確認して発言してもらえれば、**無駄に論点が戻ることはありません。**逆に通常の会議だとそれがよく起こります。
まずは数人の小さいプロジェクトで始めるのがおすすめです。
LINEやFacebookメッセンジャーなどのアプリに慣れている若い人は意外となじんでくれる可能性が高いですし、おじさんでも効率的な仕事が好きな人は気にいってくれることが多いです。
まとめ
チャット会議の導入にはいくつかハードルがありますが、一度、普及すれば効率が上がることが間違いありません。
結果的に自分も周りも楽になるので、影響力のある人を巻き込んでうまく組織に取り入れてみましょう。