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単純作業はできる限り、仕組み化、自動化する

ほとんどの単純作業は組織にとってあまり利益を生みません。

さらに、個人にとってもあまりメリットはありません。

単純作業を繰り返しても新たな知識や技術が身につきませんし、単純作業は成果として評価されない時代になってきているので給与が上がったり、評価が上がったりすることもないからです。

スキルアップが難しい以上、転職、独立を考えている人にとっても単純作業を仕事にすることは不利になると言えるでしょう。

今後、単純作業が冷遇されるという傾向はますます強くなる可能性が高いです。そもそもロボットに仕事を奪われてしまうということになるかもしれません。

逆に単純作業を自動化することで得られるメリットは多くあります。

自動化のメリット

まず事務作業のスピードが上がることで仕事が早くなります。

仕事の質に関しては当然のように意識されることが多いですが、スピードの重要性は意外と忘れられがちです。

アウトプットの質を気にするあまり、提出が締切ギリギリになってしまうといったようなことが新人の方には特に多いのではないでしょうか?

仕事が早いことは周りからは高く評価されるので実はかなり重要です。

また、単純作業を早く終えることで仕事が生産性の高い仕事に時間をまわせるという点も大きなメリットです。

生産性の高い仕事を多くこなすことで結果的に評価や給与が上がる可能性もありますし、 余った時間を仕事以外の時間に充てることでプライベートを充実させることがもできます。

自動化したこと自体にも価値がありますし、評価もされるでしょう。事務作業をしていた人の人件費をカットし、かつ人的ミスの削減にもつながるからです。

事務作業自体はロボットに奪われていきますが、自動化の仕組みを考えるのはロボットにはできない仕事です。

そういったノウハウを持つことが、ロボット全盛期を生き残るための強い武器にもなります。

では自動化、仕組み化、省力化できるのはどんなことでしょうか?

よく使う文章、定形メール等はストックしておいて使い回す

誰でもできて効果が大きいのが文章の定型化です。自動化と言ってもどこから手をつけて良いかわからないという人はまず、これに取り組んでみましょう。

多くのホワイトカラーのビジネスパーソンが書類作成、日報、メールなど文章を扱う業務に多くの時間を費やしていますので、これを省力化、高速化するとインパクトが大きいです。

2つのことを実践するとかなり作業を楽にすることができます。

決まった形式で書く文章はフォーマットを作成する

日報や決まった内容のメールなどは書く項目が同じです。

日報であれば日付、時間、内容、成果など、メールであれば冒頭の挨拶文、打ち合わせの調整、発注の依頼などです。

そのたびに同じ内容の文章を最初から書き起こすのは非効率です。ひな形(フォーマット)を用意してそれを使い回すようにしましょう。

毎回変わる部分(打ち合わせの候補や発注料金など)のみ空欄にしておき、空欄を埋め込むだけで文章が完成するようにします。

メールで毎回使う出だしの挨拶などよく使う言い回しは定型文として登録します。

例えば下記のようなものです。

  • お世話になっております。○○社の○○です。
  • 納品先についてですが、住所、宛名をご教示いただければと思います。

アプリを使えばクリップボード経由ですぐに呼び出して使うことができます。タイピング量が減るので時短になります。

windowsであればClibor、MacであればDashがおすすめです。※ここを外部リンクにする

Word、PowerPoint等はテンプレートを作成する

報告書をWordファイルなどで提出する必要がある場合も、一から作るということは避けましょう。

見積書などは組織で用意されているテンプレートがあると思うのでそれを使用し、用意されていないものは自作します。

テンプレートがあれば、動作の軽いテキストエディタで内容を検討し、最後にテンプレートに入れ込むという作り方でできます。

テキストエディタと比べるとWordやExcelは動作が重いのでテキストベースで考えると作業が早くなりますし、レイアウトやデザインを考える時間も削減できます。

例えば、下記のようなものは全てテンプレート化してしまいましょう。

  • 議事録
  • 報告書
  • 会議のアジェンダ用
  • 起案書
  • 企画書
  • 見積書、請求書

メールを自動で仕分けする

ビジネスパーソンであれば、一日に受け取るメールが100件を超えるという人はけっこう多いと思います。

関係者はとりあえずCcに入れておくという文化が浸透していること、チーム全員、部員全員に連絡が来るメーリングリストが活用されていることが原因です。

そういった、とりあえず送られてきているメールも含まれているので、全てのメールを同じ優先度でチェックするのは効率が悪いです。

重要度によってメールを自動で仕分けするようにします。

メールソフトによって設定の仕方は異なりますが、ほとんどのメールソフトには条件によってメールを仕分ける機能がついていますので、それを利用しましょう。

例えば、下記のように分けるだけでもかなり使い勝手がよくなります。

メインのメールボックス

  • 自分がTOに入っているもの

サブのメールボックス

  • 自分はCcに入っているもの
  • メーリングリスト宛に送られているもの

高度なテクニックですが、タイトルに特定のキーワードが入っているものを仕分けするということもできます。

メインのメールボックスを優先的に見ることで、早く対応が必要なメールを探す時間を削減できます。一通一通タイトルを見て判断していくのはけっこう大変なのですが、その通数が減るからです。

重要なメールがその他のメールに埋もれてしまうのを防ぐというメリットもあります。

サブのメールボックスは一日2回くらいまとめて見ればOKです。

うまく仕分けの条件を設定をすればサブのボックスはほとんど対応が必要のないメールになっているはずです。短時間でさくっとチェックしましょう。

業務の知識やノウハウはマニュアル化する

これは個人の無駄というよりも組織の無駄をなくすための仕組み化です。

仕事をしているとわからないことを周りの人に尋ねる機会というのが必ずあります。

検討や考察が必要なことを人に相談したり聞いたりすることには意味がありますが、単純な知識やツールの操作方法、ルールなどを人に聞いたり、聞かれたりする時間はあまり生産的な時間ではありません。

関係者がアクセスできるサイトや書類にまとめておいて、疑問が発生した時にそれを確認するということにしておけば、その時間を節約することができます。

自ら作ってもいいし、誰かに任せてもいいが、そのマニュアルを唯一の正解として、継続的に更新、メンテナンスしていくことが重要です。

複数のファイルやサイトが存在していて、その内容が違っていると結局どちらが正しいの?という質問が発生するので意味がありません。

ファイル管理だとコピーが容易なため、そういうことが起こりがちなのでwikiやサイトで管理するほうがおすすめです。また、更新担当者は絞りましょう。

誰かが何かわからないと言っていればマニュアルを見るようにうながし、マニュアルに書いてなければ新しい話ということなので、関係者で協議してマニュアルに追記するという流れを徹底することも必要です。

会議などで新しいルール等が決まった時も忘れないように追記します。

その流れが浸透すれば、新しい話以外はマニュアルを見れば済みます。誰かを呼び止めて既に結論が出ていることを再確認する必要がありません。

せっかくの会話の時間は新しいプロジェクトについての議論やリラックスのための雑談に使いましょう。

まとめ

自分から自発的に自動化を進めなくても、会社の方針などの外圧で自動化せざるをえない時がくる可能性は高いです。

その時に、自動化できる部分や自動化のコツが把握できていれば、組織の方針についていくのも楽になります。

できるところから自動化を進めて、楽をしましょう。