企画書をいきなりパワーポイントで作りはじめない
仕事だといろんなシーンで企画書や報告書を作る機会があります。
複数の人に対してプレゼンテーションや発表を行う場合はパワーポイント形式で資料をまとめることが多いですが、作り方によって内容の伝わりやすが大きく変わります。
今回はそれをどのように作るのが良いか考えます。
そもそも、なんでもスライド形式で作るのを避ける
実はスライド形式のものは資料としてはあまり優れていません。パワーポイントは情報が削られるからです。
周辺情報をなるべく省略して、注目してほしいポイントだけに絞って資料を構成するので、プレゼンテーションを聞きながらであれば内容を理解することできますが、何も聞いていなかった人が後でスライドだけを読んでも内容を十分に理解することができません。
後に残す資料やプレゼンテーションを聞いていない人にも共有資料などはWord等、通常の文書で作るほうが適していることもありますので、使い分けましょう。
※ここを外部リンクにする amazonなどの企業ではPowerPoint禁止例も出ているようです。
スクリーンなどに投影して話すことが必須でなければ、文書形式でまとめて印刷したものを配布してプレゼンテーション(説明)するという方法も有効です。
まずはテキストベースでアウトラインを決める
話が少し逸れましたが、あらためて本題のスライドの作り方を説明していきます。
まずはPowerPointを立ち上げてという人も多いと思いますが、最初に開くのはテキストエディタです。
テキストエディタを使ってスライドのアウトラインを検討します。
PowerPointにもアウトライン機能がありますが、テキストのほうが動作が軽いので編集が早く簡単にできます。
修正や並び替えも高速です。
スライドの見出しを並べて書いた時に、その他の余分な情報が画面に多数あるアプリケーションよりも全体を把握しやすいというメリットもあります。
具体的な作業としてはまず、スライドタイトルを並べていきます
例えば、下記のような感じです。
- 実施する施策の概要
- 背景
- 施策のメリット、デメリット
- 想定スケジュール
- 料金
この作業が終わった時点で企画書作りの5割は終わっています。
各スライドの内容を決める
テキストベースで各スライドの内容を決めていきます。 この段階でもまだテキストエディタを使います。PowerPointは起動しません。
図、写真、グラフもまだ作りません。
スライドの内容に図が必要というであれば、一旦、「○○な図を入れる」、「△△の数値をまとめた表を入れる」とう感じで書いておきましょう。
図や表の内容を作り始めると見た目にこだわりはじめて、それに時間が取られがちです。 時間をかけて作った挙げ句に、全体の話の流れが変わったので別の図を使うということもままあります。
まだPowerPointは起動していませんが、ここまでくれば資料作成作業の8割が完了したことになります。
必要なグラフ、図を作成する
図を作成ならPowerPointの出番だなと思われたかもしれませんが、なんと、まだです。
スライドの内容を決めるときに保留にしていた、図やグラフの作成をこの段階で始めるのですが、グラフや図の作成は別のアプリをつかったほうがいいことが多いのでPowerPointはまだ開きません。
図解イラストであればinkscapeなどのドロー系のアプリやIllustratorを使って作成するほうがきれいなものが作れます。
グラフであればEXCELやR、pythonなどを使って作ります。
ただ、丸や矢印を書くだけということであれば、わざわざ別のアプリを立ち上げるよりもPowerPointで作ったほうが早いのでそうしましょう。
スライドマスタを活用して内容をスライドに入れ込む
ここでようやくPowerPointを起動します。
テキストベースで決めたタイトルと内容、作成した図やイラストを各スライドに入れこんでいきます。
ここで注意するのが1枚1枚のスライドのレイアウトを調整するのに時間をかけないという点です。
プレゼンテーションにおいてわかりやすいデザインにすることは重要なので、各スライドの見た目をよくするためにかなり時間を使っている方は多いと思いますが、その時間を短縮することで早く仕事を終えることができます。
短縮するためにはスライドマスタを活用します。
スライドマスタを活用すれば見た目を整える必要はほとんどありません。
あらかじめ用意しているレイアウトにテキストやレイアウトをはめ込んでいくだけで、綺麗なスライドを作ることができます。時間にして1時間ほど、長くても2時間を目安にしましょう。
レイアウトを直接はいじらないようにして、調整に必要があればスライドマスタのレイアウトを変更します。
スライドマスタについて
自分が用意しているスライドマスタは50通りくらいです。
全部は紹介できませんが、下記のようなものを使っています。
タイトル関連
- タイトルスライド
- タイトルスライド(サブタイトル有り)
- タイトルスライド(タイトル上にサブタイトル)
- タイトルスライド(タイトル上にサブタイトル & ロゴ有り)
- 左寄せタイトルスライド
- 左寄せタイトルスライド(サブタイトル有り)
- 左寄せタイトルスライド(サブタイトル有り)
- タイトルのみスライド
- セクションブレイク
内容関連
- センタリングされた1行テキスト
- センタリングされた1行テキスト(補足付き)
- 箇条書き(5個)
- 箇条書き(6個)
- 見出し+箇条書き(2個)
- 見出し+箇条書き(3個)
- 画像+箇条書き(2個)
- 画像+箇条書き(3個)
50通りあると大体のパターンに対応できます。
当然、すべてのレイアウトを使うわけではなく作成する資料によって必要なものを選択して使っていきます。
シンプルな構成のものが多いですがあえてそうしています。
1枚のスライドの情報量は極力絞るほうがいいからです。徹底するのはなかなか難しいですが、1スライド1メッセージが理想です。
逆に上記のスライドマスタに合わないような情報は、情報量が多すぎる可能性があると考えて、スライドの内容を分割する、削るということを検討するようにしています。
少なくとも「お役所的ポンチ絵」は絶対に避けるようにしましょう。 「お役所的ポンチ絵」はとにかく読みづらい、分かりづらい。これならWordで作ったほうががマシです。
「お役所的ポンチ絵」で検索すれば事例を大量に見ることができます。反面教師にしましょう。
どうしても新しいパターンが必要な場合はスライドマスタを追加します。
スライドマスタの活用方法については下記のサイトも非常に参考になります。 ※外部リンク
まとめ
PowerPointは便利なツールですが、使い方を間違えるとかえって効率が悪くなります。
自分がすべき作業の本質はなにかということを忘れないようにして、各作業工程で適切にツールを選ぶようにしましょう。